お客様の悩みを本当に解決できていますか?
「お客様の悩みを解決したい」「業績を上げたい」そんな思いを持って日々仕事をしている方も多いと思います。 ですが、提案するたびに空振りしたり、「うちには必要ない」と言われてしまうことってありませんか?
それ、もしかすると“提案のタイミング”を間違えているかもしれません。
今回は、営業や提案の質を大きく変える「SPIN話法」についてお話しします。
SPIN話法とは?
SPIN話法とは、
- S(Situation)状況質問
- P(Problem)問題質問
- I(Implication)示唆質問
- N(Need-payoff)解決質問
の頭文字をとった、営業において相手の本当のニーズを引き出すためのフレームワークです。
状況質問 – “現状を話すことに価値は少ない”
多くの営業現場では、最初に状況質問をして現状把握を行います。 ただし、実はお客様が”今の状況”を語ることに大きなメリットは感じていないことが多いんです。
そんな時は、質問の仕方を変えましょう。
推察質問で寄り添う(例:3つほど)
- 「おそらく、このような状況になっているのではないでしょうか?」
- 「御社の体制上、こうした課題が起きやすいのではと感じたのですが、いかがでしょうか?」
- 「ここ半年で○○の依頼件数が増えていると仮定すると、現場はご多忙かと推察します」
相手が「そうそう、まさにそれ」と言ってくれたら、それが会話の入口です。
問題質問 – 問題は言語化されていない
ここでありがちなのが、「現状コストがかかっていますね」と言った途端に「弊社の○○を使えばコスト削減できます」と提案したくなること。
でも、それはNG。
すぐに提案すると、いわゆる“プロダクトセリング”になってしまい、お客様の心に響きません。
ここでは、あくまで相手の課題を深掘りすることが目的です。
示唆質問 – 一番難しいけど、価値あるステップ
ここがSPIN話法の中で最も難易度が高く、同時に最も効果的なポイントです。
現状が続いたらどうなるのか、マイナスの影響をあえて深掘りします。 ちょっと怖いけど、ここを避けては通れません。
示唆質問の例(影響を具体化)
- 「仮に5時間一人作業員が増えると、1日あたり1時間効率が上がるとします。それを1週間続けた場合、どれくらいの差が出ると思いますか?」
- 「今は人手が足りていますが、仮に急な欠員が出た場合、指導体制は整っていますか?」
- 「現状のままだと年間このくらいの予算がかかりますが、これが3年後も続くとしたら…」
- 「ご依頼の工事がすぐに完了すれば、発注者からの信頼度も高まると思いませんか?」
摩擦を恐れず、相手と一緒に問題を”自分ごと化”するのがポイントです。
解決質問 – お客様の言葉で価値を語らせる
そして最後の「解決質問」。
ここでは、相手の口からポジティブな未来像を語ってもらいます。
解決質問の例
- 「この課題が解決されたら、どんなメリットがありそうですか?」
- 「人手不足が解消されたら、現場の負担はどのくらい減りますか?」
- 「導入したことで、具体的にどんな成果が見込めそうですか?」
人から聞いた言葉よりも、「自分で話した言葉」には強い力があります。 提案は最後でOK。それまでは“相手の気づきを育てる”ことに徹しましょう。
まとめ – 本当に価値ある提案とは?
SPIN話法を使うことで、お客様自身も気づいていなかった”本当のニーズ”が見えてきます。
すぐに提案したくなる気持ちをぐっとこらえて、相手の未来に寄り添う質問を投げてみてください。
提案の前に、共感と気づきがある。 それこそが、信頼を生む営業です。

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